たいていの豆腐料理は、なぜか、水切りが必要だと言われます。
あなたは、豆腐の水切りがなぜ必要か、ご存知ですか。
調理中の型崩れ防止のためと、味を染み込みやすくさせるためです。
ところが、豆腐を水切りする目的は知っていても、水切りはしないという人は、少なくありません。
なぜ、豆腐の水切りは省略されてしまうのでしょうか。

時間がかかって面倒な割に、仕上がりに差がない気がする
確かに、豆腐を水切りしてもしなくても、さほど変わりがないような気がしますよね。
でも、水切りしないままだと、せっかくの豆腐料理が台無しになってしまうことがあるのです。
豆腐の水切りは面倒で、省略しているというあなた!
そんなあなたにぴったりの、簡単な水切りの方法と、水切りなしでも美味しい豆腐料理を、ご紹介しますね。
豆腐の水切りはなぜ必要?豆腐からなぜ水は出るの?
暑いときは、冷奴。寒いときは、湯豆腐。
麻婆豆腐や豆腐ハンバーグ。
お味噌汁の具にしてみたり、揚げ出し豆腐にしてみたり。
豆腐を使ったメニューって、本当にたくさんありますよね。
豆腐はヘルシーで、女性ホルモンの代わりをしてくれるという大豆イソフラボンが豊富に含まれています。
カルシウムも豊富なため、女性だけでなく成長期の子供たちにもおすすめの食品です。
ところで、たいていの豆腐料理を作る際、最初に書いてある工程は、豆腐の水切りです。
なぜ、豆腐は水切りが必要なのでしょうか。
豆腐を水切りすると、豆腐に含まれる水分が放出されるために、その分、味が染み込みやすくなり、また型崩れしにくくもなります。
豆腐はとても柔らかく崩れやすい食材ですので、そのまま煮込むと、味が染み込む頃には煮崩れて、形が保たれていないことがよくあります。
だから、水切りをすることで短時間で味が染み込むようにし、さらに型崩れもおこしにくくしておくというわけですね。

家族が食べるだけだから、多少、煮崩れてしまってもいいわ
そうですよね♪
プロの料理人でもあるまいし、家庭料理に完璧な見た目は必要ないと私も思っています。
ところが、

ちょうど良い濃さの味付けをしたのに、豆腐を少し煮込んだだけで、食べる頃には、水っぽくなってしまう
こんな経験、ありませんか。
なぜ、豆腐からは、たくさん水分が出てきてしまうのでしょうか?
なぜなら豆腐のおよそ90%近くは、水分だからです。
驚きですよね。
豆腐が水分を含んでいることは私も知っていましたが、この水分量を知ったときには、さすがに驚きました。
豆腐の水分は、木綿豆腐で86.8%、絹ごし豆腐で89.4%もあるそうです。
豆乳ににがりを混ぜて、豆腐は作られますね。
豆乳は、そのタンパク質成分が、にがりのマグネシウムイオンやカルシウムイオンと結びついて目の細かい海綿状に固まることで、豆腐になります。
豆腐は、いわば水をたっぷり含んだタンパク質のスポンジです。
水分をたっぷり含んだスポンジの入った料理が、水っぽくなってしまうのは当たり前。
このスポンジの水分を少し減らしておくことが、豆腐を水切りするということなのですね。
豆腐の水切りはレンジを使えば簡単で時短もできる!
やはり、豆腐の水切りは、しないよりは、したほうが良さそうです。
では、どんな方法で水切りすれば、手軽にしっかりと水分を抜くことができるのでしょうか。
<豆腐の水切りをする4つの方法>
- 電子レンジを使う
- 重しをする
- 湯通しする
- そのまま放置
順番に詳しくご紹介しますね。
豆腐の水切りは電子レンジを使えば大幅時短!!
私がおすすめするのは、最も時間のかからない電子レンジを使う方法です。
パックから出した豆腐をキッチンペーパーで包んだら耐熱皿に置き、ラップをしないで600Wのレンジで2〜3分加熱。
しっかり水切りしたい場合は、重しをのせて、しばらく放置します。
ただし、レンジを使ったこの方法は、レンジの機種、豆腐の大きさや種類によっては、加熱のしすぎで内部にスが入ってしまうことがあります。
豆腐にスが入ると食感が悪くなってしまうので、この場合は豆腐を潰してしまって、豆腐ハンバーグやそぼろなどに使うようにしましょう。
レンジで加熱する時間を短くしたり、ワット数を低く設定したりすれば、水切り具合の調節もできます。
スが入らないように水切りすることも、もちろん可能ですので、何度か挑戦してみて最適な加熱時間を見つけましょうね。
重しを使って豆腐の水切り
豆腐を水切りする方法といえば、昔からこれですね。
私の母も、豆腐を水切りする時はいつもこの方法です。
手順はとっても簡単。
レンジを使うときと同じように豆腐をキッチンペーパーに包んで、重しを乗せて30〜60分放置するだけ。
豆腐に熱を加えないので、白和えやサラダを作るときにおすすめの方法です。
重さを変えたり、時間を変えたりすることで、水切り具合を変えることができますね。

ちょうどいい重しなんて、ないんだけど
そんな時は、キッチンペーパーで包んだ豆腐にバットや軽めのまな板をのせて、その上に水を入れた鍋やボウルを置くといいですよ。
平らなものをのせることで、豆腐に変な型がついてしまうのを防ぐことができますし、水の量を増減すれば、重さの調節もできますね。
ただし、重し代わりに置いたボウルや鍋が不安定だと、水がこぼれてキッチンが水浸しになってしまう危険がありますので、要注意です。
豆腐は湯通ししても水切りできる
麻婆豆腐を作る時、たいていレシピには豆腐を湯通しするように書かれています。
豆腐がかぶるくらいの量の沸騰したお湯に豆腐を入れ、5分くらい弱火で湯がいたら、ザルに上げて完成。
しっかり水切りしたい場合は、これも先程と同じく、ザルに上げた後キッチンペーパーで包んで重しをのせておけば大丈夫。
豆腐を温めて水切りするので、調理中に温度が下がらないというメリットがあります。
ただ、湯通しの際に豆腐の風味が流れ出やすいので、麻婆豆腐や豆腐チャンプルーなど濃いめの味付けの料理に利用しましょう。
究極のズボラ技!そのまま放置!?
なんと、豆腐をパックのまま水切りしてしまう方法があるのです。
パックの一箇所に包丁で5センチほど切り込みを入れ、切り込み部分が下になるようにひっくり返して、お皿やタッパーに置き、冷蔵庫で一晩放置。
これだけです。
時間はかかってしまいますが、「明日、豆腐を使うぞ」と前日に分かっていれば、これ以上簡単な方法はありませんね。
豆腐を水切りしないまま使えるのはどんなメニュー?
なるほど、豆腐を水切りする理由も、その簡単な方法も、分かりました。

それでも、なんとかして手間を省きたい
私も、同じ考えです。
母である私にとって幸運なことに、我が家の子どもたちは冷奴が大好きです。
季節を問わず、上の子は食べるラー油を、下の子は濃縮タイプのめんつゆをかけて食べるのが、ここ数年のお気に入りです。
冷奴は、豆腐をパックから取り出してそのままお皿に入れるだけでいいので、とても楽チン♪
だから、私もつい頻繁に食卓に登場させてしまいます。
ところが、いくら好きでもさすがに、豆腐はいつも冷奴で、というわけにもいきません。
大人になった子どもたちが、おふくろの味として「ただの豆腐の冷奴」を挙げるのは、できれば避けたいものです。
豆腐を水切りしないまま使っても美味しいメニューには、どんなものがあるのでしょうか?
冷奴や揚げ出し豆腐
豆腐独特のトゥルンとした舌触りや、なめらかさ、柔らかさを味わいたいときは、水切りしないまま使うことをおすすめします。
好みの問題ではありますが、冷奴や揚げ出し豆腐などは水切りをしないほうが美味しいと私は思っています。
冷奴も揚げ出し豆腐も、豆腐自体に味を染み込ませるのではなく、醤油やめんつゆなどの調味料や、濃いめに味つけたあんをかけて食べるものですね。
豆腐自体がとても薄味なので、かける調味料やあんの量で、味の濃さを調節できますし、お好きな薬味をかければ、味の変化も楽しめます。
また揚げ出し豆腐は、豆腐の水分が流出するのを、揚げ衣がある程度防いでくれます。
もちろん、これらのメニューは水切りした豆腐で作ることもできますよ。
水切り豆腐の冷奴は、豆腐自体の味が濃くなりますし、少し固くなるのでお箸でも食べやすくなります。
揚げ出し豆腐は、粉をつけて揚げる際に油がはねにくくなります。また型崩れもしにくくなるので、扱いやすく調理しやすくなります。
水切りが面倒でないなら、両方を試してみるのもいいですね。
あなたは、豆腐の水切りありとなし、どちらがお好みですか?
お味噌汁
お味噌汁に豆腐を入れるときも、水切りしませんね。
だし汁に豆腐以外の具材を入れ、火が通ったら、豆腐を入れてひと煮立ち。それから、味噌をときます。

豆腐を入れてからじゃないと、味が決まらないからね
私が子供の頃に、母がよく言っていた言葉です。
豆腐を入れる前に味を決めてしまうと、豆腐から出た水分で味が薄まってしまうからだったのですね。
お味噌汁の隠し味については、こちらの記事で紹介されていますので、ぜひ試してみてください。
ドーナツや白玉団子
ドーナツや白玉団子を作るときに、豆腐を使う方法はご存知でしょうか?
どちらも、水や牛乳といった水分の代わりとして、豆腐を使います。
豆腐ドーナツは、牛乳や卵の代わりに、水切りしない状態で豆腐を潰し入れ、混ぜて生地にします。
後は、普通のドーナツと同じように、成形。油で揚げて出来上がり。
豆腐白玉は、水の代わりに同じく水切りしていない豆腐を潰して、白玉粉に混ぜいれなめらかになるまでこねます。
小学2年生の娘は、手で豆腐を握りつぶす感覚が大好きで、必ず「やらせて」と言ってきます。
豆腐を手で潰すのが「ちょっと悪いことをしているみたいで好き」なんだそうですよ♪
その後、普通の白玉団子と同様、茹でたら出来上がり。
豆腐を使うことで、豆腐ドーナツはしっとりヘルシーに仕上がりますし、白玉団子は翌日でも柔らかいままです。
水分をたっぷり含んでいる豆腐だからこそ、水分の代わりが務まるのですね。
麻婆豆腐
我が家で、冷や奴の次に頻繁に登場する豆腐料理は、麻婆豆腐です。
麻婆豆腐のレシピには、たいてい豆腐を湯通しするようにと書かれていますが、実は少しの工夫で、湯通しは必要なくなります。
お味噌汁のときと、原理は同じ。
ひき肉やネギなどの具材を炒めたあと、小さく切った豆腐を入れ、ひたひたの水を注いだら沸騰させ、弱火で3分ほど煮立たせた後で、味見しながら味付けをします。
豆腐を鍋に入れてしばらく煮立たせることで、先に豆腐から水分を出しておきます。
その後、味付けすることで、麻婆豆腐が水っぽくなってしまうのを防ぐのです。
わざわざ別のお鍋で湯通しするのでなく、一つのお鍋で調理中に湯通しもしてしまうというわけですね。
この方法は、他の豆腐料理にも使えます。
これで水切りしないで調理しても、豆腐料理が水っぽくなってしまうのを回避することができますよ。
まとめ
- 豆腐は水切りすると、味が染み込みやすくなり、型崩れも防ぐことができる
- 豆腐のおよそ90%は水分
- 豆腐を水切りしないまま調理すると、水っぽくなってしまうことがある
- 豆腐の水切りには、レンジ加熱、重しをする、湯通し、そのまま放置、の4つの方法がある
- 電子レンジを使って、豆腐を水切りすれば時短に
- 料理の種類のよっては、水切りしないままの豆腐を使うことができる
- 前もって水切りをしておかなくても、豆腐を加えてから味を付けることで、水っぽくなるのを防ぐことができる
そもそも、水切りってなぜ必要なのか分からない。
きちんと水切りしたほうがいいのは分かっているけれど、なぜかいつも工程を飛ばしてしまう。
豆腐料理は好きなのに、なぜかいつも水っぽく仕上がってしまう。
こんなお悩み、ありませんでしたか?
豆腐の90%近くは水分でできているので、水切りしないとその水分が調理中に出てきて、料理を水っぽくしてしまう。
豆腐の水切りは、大切な工程だったのですね。
水切りをしない場合は、味を見ながら最後に味付けすれば、水っぽくなるのを防ぐことができるということも、お分かりいただけたかと思います。
ぜひご自身に合った方法で、これからも美味しい豆腐料理を作ってくださいね♪
コメント