ドリップしたあとのコーヒーかす。
再利用できることは知っていたのですが、私はいつも、そのまま生ゴミ入れにポイっと捨てていました。
わざわざコーヒーかすを絞って、お皿に広げて天日干しなんて、面倒です。
完全に乾燥するまで、太陽が出ている保証もありませんし、強い風に吹き飛ばされてしまうこともあります。
洗濯物を外干ししている時以上に、お天気を気にしないといけないなんて、よほどのメリットがない限り、私にはできません。
ところがコーヒーかすは、乾燥させてからでなくても、再利用できる方法があります。
コーヒーかすを何に再利用するかによって、乾燥させなくてもいい場合と乾燥させた方がいい場合があるのです。
再利用目的ごとの最適な使い方と、簡単に乾燥せせる方法をご紹介します!
コーヒーかすの再利用は乾燥させてからなのはなぜ?

そのまま捨てても消臭効果のあるコーヒーかす!!
毎朝欠かせないコーヒー。
毎日少なくとも一杯分のコーヒーかすはゴミになります。
インスタントを飲めばいいのでしょうが、どうしても香りの良いドリップコーヒーを買ってきてしまうんですよね。
そんな毎日ですので、ゴミ収集日までの間、生ゴミ用のゴミ箱の中にはコーヒーかすがたまっています。
ところが、ある時、コーヒーを飲まない日が続いたことがありました。
当然、その時の生ゴミ入れの中に、コーヒーかすは入っていません。
すると、収集日に生ゴミを出す際、コーヒーかすが捨てられているときには気づかなかった生ゴミのニオイが気になりました。
無意識にそのまま捨てていたコーヒーかすですが、実は、生ゴミのニオイを消してくれていたのでした。
もちろん、コーヒーかすを捨てるときに、わざわざ乾燥なんてさせていません。
それに、他の生ゴミにもいくらか水分は残っているので、ゴミ箱の中で自然乾燥したというはずもありません。
コーヒーかすは、乾燥していなくても、消臭効果はあるのです。
コーヒーかすに含まれる水分が、ニオイ成分を吸着するだけでなく、嫌なニオイの原因の一つアンモニアを融解してくれるというのです。
それなら、なぜ、どこのサイトを覗いてみても、「コーヒーかすは乾燥させてから、再利用しましょう」と書かれているのでしょうか?
コーヒーかすを乾燥してから、消臭目的に使う時、その場所は、トイレや靴箱、車の中など、通気性の良くないところが多いかと思います。
そこに、長時間、水分を含んだものを置いておくと、当然カビが生えてきてしまいますよね。
つまり、コーヒーかすを乾燥させる目的は、カビを生えないようにするためだということが分かりました。
私が、コーヒーかすを乾燥させないまま捨てていても、問題がなかったのは、カビが生える前に、ゴミ収集に出してしまっていたからに過ぎなかったのです。
コーヒーかすを乾燥させないまま再利用しよう!
それならば、コーヒーかすを乾燥させないまま再利用する方法を、考えればいいんじゃない?
ズボラ家事に命をかける私の思考回路は、そちらの方向に進みます。
コーヒーかすが消臭に効果を発揮するのは、コーヒーかすには、目に見えない小さな孔(あな)がたくさんあるからのようです。
家庭用の消臭剤としてよく使用されるものに「活性炭」がありますね。
活性炭とは、ニオイの吸着率を上げるために、さまざまな処理を施した多孔質な物質です。
小さな孔がたくさん開いているものほど、ニオイをよく吸ってくれるということですね。
同じように、焙煎したコーヒー豆の表面には、たくさんの小さな孔があり、そのままでもニオイを吸着する性質があります。
さらに、コーヒー豆を挽くことで表面積が何倍にも増えるので、ニオイを吸着する能力が増すということでした。
その上、コーヒーを抽出した後のコーヒーかすは、水分を含むことにより、なんと活性炭の5倍以上も、ニオイを吸収する効果が高いというのです。
これは、むしろ乾燥させないほうが、いいのかもしれない。
ところが、そうは言っても、カビが生える危険をあえて冒すのは、気が進みませんよね。
やはり、生ゴミの消臭のときと同じように、カビが生える前に捨ててしまうのがよさそうです。
コーヒーかすの消臭能力は、水分を含んでいる場合は特に、アンモニア臭に効果を発揮します。
小さいお子様がいらっしゃるご家庭では、おむつ用のゴミ箱にコーヒーかすをそのまま一緒に捨ててしまいましょう。
おむつ用のゴミ箱は、防水もしっかりしているので、コーヒーかすから滲み出た水分が、こぼれ出てしまう心配もありません。
ペットのいるご家庭では、ペット用のトイレシートと一緒に捨てるのもオススメです。
我が家には、2歳になるトイプードルがいるのですが、どんなに可愛らしくても、使用済みのトイレシートはニオイます。
そのため、我が家ではトイレシートを捨てるのに、子供が小さいときに使っていた、オムツ専用のゴミ箱を使っています。
ところが、ゴミ箱が古いせいなのか、ウチのトイプーが強烈なのか、完全にニオイをシャットアウトしてくれないのです。
そこで、水分を含んだままのコーヒーかすを、そのゴミ箱に捨てるようにしてみました。
大成功です。見事にニオイがしなくなりました。
こうしてコーヒーかすの消臭効果を実感した私は、他の場所の消臭にも使いたくなりました。
コーヒーかすを乾燥させるには電子レンジがおすすめ!
コーヒーかすを再利用したい。
でも、天日干しは面倒くさい。
私は、とっても面倒くさがり屋なので、毎日毎日、わずか一杯分のコーヒーかすのために、天日干しをするなんて、無理なのです。
調べてみると、電子レンジを使って、簡単に乾燥させる方法があるというではありませんか。
さっそくやってみることにしました。
乾燥させる際に電子レンジの臭いも取れるということなので、お弁当用のフライを温めた後の、少しニオイの残るレンジで試します。
ドリップバッグ一杯分のコーヒーかすを、レンジ対応のお皿に広げて、一分半ほど加熱。
レンジの扉を開けると、かすかにコーヒーの香りがするような気がします。
コーヒーかすがダマになっていたところがあったので、もう一度軽くほぐして、さらに30秒加熱しました。
加熱後、お皿が熱くなっていたので、しばらくレンジの扉を開けたまま放置。2分ほどで、触っても大丈夫なくらいになりました。
嬉しいことに、コーヒーかすは、しっかり乾燥していました。
レンジ庫内の臭いも、ほとんど感じません。
これは、一石二鳥です!
後は、この乾燥したコーヒーかすを、100均などで売っているお茶パックに詰めて、気になるところに置くだけ。
早速、昨日一日頑張ってくれていた子供の靴に、入れてみることしました。
本人には内緒ですが、小学6年生ともなると、男の子の靴のニオイは、結構ヘビーなのです。
コーヒー一杯分だと片方だけになってしまうという大義名分のもと、もう一杯追加で飲んで、用意しました。
乾燥させたコーヒーかすは、消臭だけでなく吸湿の効果もあります。
半日ほど放置したあと、おそるおそる鼻を近付けてみると、効果あり!!
全く無臭になったというわけではありませんでしたが、嗅覚に集中しないとわからないレベルにまで、達していました。
これは、使えます!
乾燥させたコーヒーかすは、1ヶ月ほどを目安に交換すれば良いようです。
今後、我が家の玄関には、コーヒーかすの消臭剤が常備されることになるでしょう。
コーヒーかすを再利用して話題の消臭ポットを作ろう!!

コーヒーかすを再利用することに、夢中になった私は、次にネットで話題の消臭ポットを作ってみることにしました。
コーヒーかすで作る!靴箱用とトイレ用の消臭ポット
コーヒーかすを再利用した消臭ポット。作るのは、本当に簡単です。
乾燥させたコーヒーかすを空き瓶などの容器に入れて、こぼれないように口を布などで覆い、消臭したい場所に置くだけ。
まず私は、ジャムの空き瓶にコーヒーかすを入れ、キッチンペーパーで瓶の口を覆って輪ゴムで止めました。
一番エコな、そして、おしゃれとは程遠い消臭ポットの完成です。
あまりにも、みすぼらしい見た目になったので、これは靴箱の中に入れ、目に入らないところで、消臭を頑張ってもらうことにしました。
次は、人目に触れるトイレ用です。
入れる容器や口を覆う布を可愛くしたり、被せた布を止めるのに、リボンや麻紐で結んだりすれば、ちょっとかわいい消臭ポットが作れますね。
100均などで手に入るフェイクグリーンを使っても、おしゃれな消臭ポットができそうです。
お好みのグラスや器に乾燥させたコーヒーかすを入れ、そこに、鉢植えのようにフェイクグリーンをバランスよくのせるだけ。私にもできました。
どちらも、一ヶ月を目安に、コーヒーかすを入れ替えるようにしましょうね。
コーヒーかすで作った消臭ポットで車内消臭
車内のニオイの原因は、汗や体臭、食べ物やタバコなどのニオイが混ざったものですね。
エアコンのニオイが気になるときもあるかと思います。
車内のニオイは、乗り物酔いを引き起こす原因の一つです。
我が家の子どもたちは、乗り物酔いをしやすいタイプですので、車内にはいつも、市販されている車用の消臭剤や芳香剤を置いています。
ただ、これも、香りの種類によっては、余計に気持ち悪くなってしまう場合があるようで、購入の際には、おおいに悩む必要がありました。
その点、コーヒーかすを再利用すれば、嫌なニオイを吸着して消臭してくれるので、香りで気持ち悪くなってしまう心配がありません。
乾燥させたコーヒーかすを、紙コップのような容器に入れ、車のドリンクホルダーに入れておくのが、簡単でおすすめです。
ニオイが気になるときは、乾燥させる前のコーヒーかすを、半日ほど、車内に置いてみるのもいいかもしれませんね。
コーヒーかすに残った水分が、よりしっかりとニオイを吸着してくれますよ。
コーヒーかすの再利用は肥料になるの?除草できるの?

消臭の次に有名な、コーヒーかすの再利用法は、土に混ぜて肥料にするというものですね。
ところが調べていくと、「肥料になる」と書いてあったり、「除草できる」と書いてあったり、様々です。
もちろん、肥料になる上に、除草までできるなら言うことありませんが、世の中そんなに甘くはないですね。
栄養たっぷりの土なら、雑草もたくさん生えますし、逆に雑草が枯れるなら、ほとんどの植物も枯れてしまいます。
コーヒーかすが植物に与える影響について、UCC上島珈琲株式会社が近畿大学農学部と共同で研究を行っていました。
(前略)雑草防除の観点でコーヒー残渣を16kg/m2散布した場合、雑草の生育は強く抑制されたが、この効果は半年間の維持に留まった(後略)
引用:UCCの研究活動
つまり、1平方メートル辺り16キログラムのコーヒーかすを使えば、半年間雑草は生えにくくなるということのようです。
残念ながら、一般家庭で用意する量としては、ちょっと現実的ではありませんね。
コーヒーかすだけをつかって、庭の除草対策をするのは、無理がありそうです。
では、コーヒーかすを肥料にすることはできるのでしょうか。
これもおなじ研究で報告されていました。
コーヒー残渣の土壌改良効果については、土壌の炭素、窒素両方の含有量を効果的に増加させ、かつC/N比を減少させた。
引用:UCCの研究活動
コーヒーかすは、土に含まれる炭素や窒素の量を増やし、土の中にいる微生物が活動しやすい環境を作るため、土壌改良の効果はあったということが書かれています。
つまり、コーヒーかすは、肥料としてではなく、あくまで土壌改良剤として再利用すれば効果があるということですね。
家庭菜園やお庭の植物に直接撒くのではなく、土作りの際にうまく活用するという再利用法がよさそうです。
まとめ

・コーヒーかすを再利用するときに、乾燥させる必要はない
・コーヒーかすを乾燥させないまま再利用するときは、カビに注意
・コーヒーかすを乾燥させるには、電子レンジがおすすめ
・乾燥させたコーヒーかすを消臭剤として利用するなら、消臭ポットを作るのが簡単
・コーヒーかすの再利用の方法として、除草に使うのは家庭では難しい
・コーヒーかすを家庭菜園や庭造りのための土作りに、土壌改良材として使うことはできる
毎日コーヒーを飲んでいるあなた。
コーヒーかすの再利用、されていましたか?
私は、面倒くさい気がしてできていませんでした。
ところが、コーヒーかすの再利用には、ほとんどといっていいほど手間はかかりません。
そして、しっかりと効果が期待できることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
コーヒーかすなんて、再利用していなかったわというあなた。
ドリップした後のコーヒーかすを生ゴミ入れに捨てていたというだけで、あなたも、実は、コーヒーかすを再利用して生ゴミの消臭をするというエコな活動をされていたのです。
もう少しだけ、今度は意識して、コーヒーかすを再利用してみませんか。
エコ社会に少しでも貢献できた気がして、きっと、ほんのちょっと嬉しい気持ちになることができますよ♪
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