和食料理の基本と言われている、料理のさしすせそ。
昔からこの順番で調味料を入れると、和食料理は美味しくなるとされています。
でも、本当にこの順番で美味しくなるのか、そこに化学的根拠があるのか、気になりませんか?
(ちなみに私は、さしすせその意味は知っていましたが、順番もこの通りに入れるといいと知ったのは、恥ずかしながら結構最近です)
調べてみると、料理のさしすせそには化学的に根拠もあり、この通りに入れると和食料理は本当に美味しくできるようです!
昔の人の知恵ってすごいですね!
こちらでは、料理のさしすせその化学的根拠や入れる順番、酒やみりんはいつ入れるのかをまとめました。
ぜひ参考にしてくださいね!
料理のさしすせそには化学的根拠があった‼

和食を作る方なら一度は聞いたことのある、料理のさしすせそ。
さ、は砂糖。し、は塩。す、は酢。せ、は醤油。そ、は味噌のことです。
この順番で調味料を入れると、和食料理は美味しくなるとされています。
料理のさしすせそは、昔から言われているおばあちゃんの知恵のようなものですが、実は調べると、化学的にもきちんと根拠があることがわかりました!
その化学的根拠とは、それぞれの調味料の分子の大きさや、特性に合わせた順番になっている、ということなのです!
具体的に説明しましょう!
塩を構成するイオンはとても小さく、食材に染み込みやすくなっています。
塩を先に入れると、あとからいれた砂糖が食材に染み込まなくなってしまいます。
そのため、一番が砂糖、二番が塩なのです。
その次に酢を入れるのは、刺激臭を飛ばすためと、酸味を損なわないようにするためです。
揮発性の高い酢は、早く入れすぎるとせっかくの酸味が飛んでしまいます。
ちょうど真ん中三番目が良いのです。
四番五番は、発酵食品である醤油と味噌。
二つとも、加熱しすぎるとせっかくのうまみ成分と香りが失われてしまいます。
火を止めたあとの仕上げに入れるのが効果的です。
下記にて、さらに詳しくそれぞれの調味料の分子の大きさや特性をまとめました。
化学的根拠と合わせて、料理のさしすせその入れる順番も整理していますので、一緒におさらいしていきましょう!
料理のさしすせそは順番通りに入れると美味しくなる‼

料理のさしすせその順番の通りにいれると、美味しく仕上がるのは化学的にも根拠があります。
順番通りにいれると、しっかり味が染み込み、香りや風味が消えることを防いで、料理が美味しく仕上がる効果があります。
料理を作る際は、さしすせその調味料を入れる順番を意識して作ってみましょうね!
ただし、これはあくまで基本です。
料理によっては、さしすせその調味料を入れる順番を前後させた方が良い場合もあるので、それぞれの調味料の分子の大きさや特性を知り、効果的に使いましょうね。
砂糖と塩は分子の大きさで塩があと
最初に入れるのは砂糖です。
砂糖の主成分は、ショ糖やスクロールと呼ばれる比較的大きな分子です。
分子が大きいので、食材に染み込むのに時間がかかります。
砂糖には食材の細胞組織を柔らかくし、味を染み込みやすくする特徴があります。
一方塩は、塩化ナトリウムという小さな分子でできています。
塩化ナトリウムはナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれて解けます。
浸透圧の関係で、小さい分子の方が早く食材に染み込むため、先に塩を入れると、砂糖が染み込みにくくなってしまいます。
塩には食材を引き締める特性もあり、塩を先にいれると、ますます味が染み込みにくくなるのです。
塩は砂糖を入れた後に入れましょう。
酢は早すぎず遅すぎず‼3番目に
酢には酢酸という成分が含まれているのですが、酢酸は揮発性が高く、加熱すると飛びやすい性質があります。
あまり早く入れると、せっかくの酸味が飛んでしまいます。
かといって、後の方に入れると、独特の刺激臭が残ってしまうので、真ん中の3番目にいれると良いでしょう。
ただ、早めに入れた場合は、食材のクセを取って柔らかくするという効果もあり、後から入れると酸味や香りが際立つので、料理によって入れるタイミングを使い分けるといいかもしれませんね。
醤油と味噌は仕上げに入れる
発酵食品である醤油と味噌はどちらも、アミノ酸という旨味成分がたくさん入った調味料です。
アミノ酸は熱を加えすぎると分解しやすい為、長時間加熱するとせっかくの旨味を失ってしまうことになります。
また、熱を加えすぎると香りも飛んでしますため、醤油や味噌は火を止めてから入れるのが良いでしょう。
ちなみに、酢も発酵食品です。
味や香りが飛びやすいところは醤油と味噌と同じですね。
料理のさしすせそはいつから言われるようになったの?

昔から言われ続け得てきた、料理の基本のさしすせそ。
私が料理のさしすせそを教わったのは確か母でした。
いつきちんと教わったのかは覚えていませんが、確か料理を一緒に作りながら、さは砂糖なのよ~なんて話を聞いた気がします。
母に聞いてみると、なんと母も母の母(私の祖母)から習ったそうです。
料理のさしすせそは、母から子へ受け継がれて来た料理の知恵なのですね。
では、昔からとありますが、料理のさしすせそはいつから言われ始めたのでしょう?
日本で50音が浸透したのは、1922年以降です。
この年に『手習い歌』として50音の歌が作られ、あいうえおの並びで50音が広く一般に知れ渡るようになりました。
醤油をせうゆと発音するようになったのは、明治以降です。
江戸時代は醤油のことを「しゃうゆ」と発音していました。
これが明治以降に「せうゆ」と訛って発音されるようになったようです。
このことからも、料理のさしすせそが言われだしたのは明治以降と考えられるようです。
料理のさしすせそがいつから言われだしたのか、最初に考え付いた人はだれなのか、はっきりはわかりませんが、私は、きっとどこかの家庭の母親達じゃないかなあと想像しました。
私個人の勝手な想像ですが、ご近所同士の井戸端会議で、砂糖は塩より先に入れるといいのよーなんて話がだんだん広まって、それが今日まで繋がってきたんじゃないかなと思うのです。
今でいう、口コミですね!
いつから言われ出したのかを想像したら、顔も知らない昔の母親達の知恵と想いに触れられた気がして、ちょっとほっこりしました。
私も自分の娘に伝えていきたいと思います。
料理のさしすせそに含まれない酒やみりんはいついれるの?

料理のさしすせそには含まれていませんが、和食料理によく使う調味料には酒とみりんもあります。
和食の定番、肉じゃがや、照り焼き、煮魚など、煮物の多くは、酒・醤油・みりん・砂糖で味付けされていますよね。
料理のさしすせその入れる順番はわかりましたが、では料理のさしすせそに、お酒とみりんが加わったレシピの場合、お酒とみりんはいつ入れたらいいの?
そんな疑問にお応えすべく、酒とみりんの特性や入れる順番をまとめました。
お酒(日本酒)を入れる順番
お酒にはアルコールが含まれるので、最初に入れて火にかけ、アルコールを飛ばすことが基本です。
さらに、お酒には食材の臭みを消すという働きがあるので、早い段階で入れることで風味豊かに仕上がります。
また、食材を柔らかくする働きもあり、お肉などをやわらかく煮込む時には最初にお酒を入れると効果があります!
さしすせそのさは、砂糖と酒、両方のさと覚えるのが良さそうですね!
ちなみにお酒にも料理酒と清酒がありますが、糖分や塩分を加えた料理酒より、清酒を使う方がおすすめですよ。
みりんを入れる順番
みりんには、本みりんと、みりん風味調味料があります。
本みりんはお酒の仲間なので、お酒と同じように最初に入れると効果があるようです。
みりん風調味料はアルコール成分よりも糖分が多く、なんと科学的には別の物なんだそうです!
びっくりですね!
みりん風調味料は照りやコクを出すため、最後の仕上げにいれるのがポイントです!
また、みりんには肉や魚などのたんぱく質を固くする性質があるため、荷崩れしやすい食材を煮る場合は早めに加えることで、荷崩れを防ぐことができますよ。
柔らかい食感に仕上げたいときには、最後に加え、さっと煮て照りやコクをだすのがおすすめです。
まとめ

- 料理のさしすせそには分子の大きさや特性での化学的根拠がある
- 料理のさしすせその順番でいれると美味しく仕上がる
- 料理のさしすせそは1922年以降に一般に浸透してきた
- 和食の定番調味料のうち、お酒は最初に入れるのが効果的
- みりんは本みりんの場合は最初にいれる。
- みりん風調味料は最後に入れて照りやコクを出すのに向いている
- 料理のさしすせそは基本。料理内容によっては調味料を入れる順番が変わる場合もある。
昔から言われてきた、料理のさしすせそ。
最近は洋食を好む方も増え、知らない人も多いのではないでしょうか?
昔ながらの知恵で終わらず、調べてみると、きちんと化学的にも根拠があることがわかりました。
昔の人は、化学的根拠は分からなかったはずなのに、きちんと理にかなっていることにはびっくりしますよね。
昔から伝えてられてきたのは意味があったのだなと思います!
和食料理を作るとき、料理のさしすせその基本を守ることは美味しく作るポイントなのですね!
化学的根拠もあると分かったことで、これからの和食料理の調味料の使い方に自信が持てました!
料理のさしすせそを活かして、美味しい和食をたくさん作りましょうね!
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